矯正 認定医の草分け
すべての企業が人為的に起こされたバブル景気に影響されるということだ。
人為的に起こされたバブル景気によって企業は新しい投資プロジェクトを開始する。
が、それだけでなくバブル景気の下で資金が借りやすくなるので、新たに生まれる企業もある。
それらすべてがバブル崩壊によって大きな影響を受けるのである。
二○○○年のITバブルの絶頂期に、バブル期よりもかなり前に設立されていたマイクロソもう一度繰り返す。
中央銀行の経済への介入は景気循環を引き起こす。
だから中央銀行は自由市場にそぐわない機関である。
フト社は、オーストリア学派が予想した通り、生産要因の不足に直面した。
マイクロソフト社は多くの社員を雇ったが、それでも有能な社員を必要な数だけ採用することはできなかつた。
Mは次のように書いている。
「生産の拡大を継続させるためには、貸出を増やすことが必要だ。
企業家たちは、生産コストが上昇しても生産を拡大しようとする。
そのためには資金が必要となる」景気循環を早める要因は、市場経済それ自体とは何の関係もないと認識すべきだ。
景気循環を早める要因、それは政府の金利引き下げ政策にある。
政府は、自由市場で決まる金利よりも低い金利を設定する。
中央銀行は、議会が可決した法律によって設立されたれっきとした政府機関である。
中央銀行の幹部は政府によって任命され、政府に保証された独占的な特権を享受かれてしまう。
オーストリア学派の景気循環理論を簡単に要約すれば、次のようになる。
「景気循環理論」を改めておさらいする。
金利は次の二つの方法で引き下げられる。
(A)人々が預金量を増やす。
(B)中央銀行が人為的に引き下げる。
企業家は低金利に反応して、新しいプロジェクトを開始する。
そうしたプロジェクトは、金利の上げ下げに敏感な種類のプロジェクトである。
高度な生産活動への投資が増える。
たとえば、鉱山経営、鉱物資源、建設、金融資本などの分野で新しいプロジェクトが始まり、投資も増える。
一般的な消費財よりも生産プロセスが長期にわたる資本財への投資が増える。
中央銀行による操作などの人為的な要因によって金利が引き下げられる場合、すべてのプロジェクトが完成することはない。
これらのプロジェクトすべてを完成させるだけの資源や資本を人々は貯蓄していないからだ。
投資家たちは、持続不可能な方向へ生産活動を誤って導いてしまう。
自分が実際に持っているよりも二○%少なくしか煉瓦を持っていなかった大工を思い浮かべてみよう。
彼は、実際の煉瓦の数が分かっていれば作ったであろう家とは、異なる形の家を建てようとする。
ここでは煉瓦は買い足せないものとする。
家の大きさは異なるだろうし、形も異なるだろう。
彼が自分の間違いに気づかないまま建設を進めれば進めるほど、見積もりとは大きく異なってしまう。
建設の最終段階で間違いに気づいたら、彼は完成間近の家を壊してしまわねばならない。
それまでに投入された資源と労働は無駄になり、社会もそれだけ貧しいものだ。
金利を自由市場が決定するよりも低く設けることで、企業家たちは、「資源は実際よりも多く存在する」と考え、行動する。
そうした新しい投資の一部は、無駄な投資となる。
想定通りの資源があれば完成するが、今ある資源では完成できないプロジェクトへの投資が行なわれてしまう。
住宅バブルは、この理論の具体例となっている。
人為的に低く設定された金利によって、住宅建設に莫大な資源が誤って投入されることになった。
今となっては住宅バブルが持続不可能であったことは分かる。
九○万ドルの家をほとんど貯金のない人々が競って購入したのだ。
こんなことが続くわけがない。
通貨供給の操作の終了が早ければ早いほど、間違った投資は終了し、間違って配分された資源が、持続可能な分野に再配分されるようになる。
私たちがバブルを継続させようとすればするほど、不可避的にやってくる崩壊はより深刻なものとなる。
先述の例で言えば、大工は間違いに気づくのが早ければ早いほど、より早く軌道修正することができる。
それは、資源の無駄遣いを少なくすることができるからだ。
経済にも同じことが言える。
オーストリア学派の理論への論理的な反論は次のようなものだ。
企業家たちはどうして、預金の増大による金利の低下と、連邦準備制度が介入して起こる金利の低下を区別することができないのか?企業家たちはどうしてオーストリア学派の景気循環理論を学ばず、連邦準備制度が人為的なバブル景気を作り出そうとするときに、投資を思いとどまれないのか?これらの疑問に答えを出すのはそう簡単ではない。
ほとんどの経済学者は、オーストリア学派の景気循環理論について何も知らず、ビジネススクールで教えられることもほとんどない。
オーストリア学派の景気循環理論を知っていて、連邦準備制度が人為的に金利を下げていることを知っている企業家たちも、低金利なので資金を借りて新しいプロジェクトを始めたいと思う。
そして、バブルが崩壊する前にプロジェクトが完成する幸運を願う。
もし彼らが手をこまねいて何もせず、低金利を利用しなければ、競合他社たちがマーケットでのシェアを増やしてしまうかもしれない。
いずれにしても誰かが誘惑に引っ掛かるというわけだ。
オーストリア学派の景気循環理論は、恐慌の期間と持続性を説明するための理論ではない。
この理論は、必ず崩壊へと至る人為的に作り出されたバブル景気について説明するための理論である。
バブルの崩壊の期間は、政府が、労働と資本の配分を歪めると長期化してしまう。
価格統制、緊急融資、「流動化」策、通貨インフレなどの政府の介入によって、長期間にわたる不況が続く。
これら政府の介入策は一時的な不況の緩和を目指している。
政府は、何もないところから紙幣を刷り出し、金利を人為的に低くすることで、経済の後退局面から脱して景気を良くしようと試みる。
そうした試みは結局、バブル崩壊を招いてしまう。
しかもその崩壊は深刻なものとなる。
通貨を操作してみても、バブルは崩壊する。
「政府の介入によって景気は良くなる」というのは迷信にすぎない。
経済が持続可能な状態に戻った場合、見込み違いの投資は止められ、現金化される必要がある。
間違った投資は、促進されたり、補助されたりしてはならない。
状況が分かっていない人々は、バブル景気を継続させるために通貨供給の継続を求める。
その数が二○○八年秋以降、急速に増大している。
ポインティン・ヨーク社のストラティジスト、ロジャー・ナイチンゲールは二○○八年、世界各国の中央銀行が金利を「ゼロ」にするように求めた。
そんな輩はいくらでもいた。
ナイチンゲールは次のように書いている。
「私は重要なポイントを五○も挙げているのではない。
ただ一つ。
金利をゼロにすべきなのだ。
ヨーロッパ各国も、イギリスも、金利をゼロに近づけるべきだ。
日本もそうすべきだが、日本はそもそもゼロ金利に近い」。
ナイチンゲールは「ゼロ金利でも十分ではなどとも述べている。
バンク・オブ・イングランドのマービン・キングは次のように述べている。
「金利を必要なレベルまで引き下げる準備はできている。
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